stove hills

1.少ない薪で家全体が暖まる

・断熱性能が高いため、一度暖めた熱が外に逃げにくく、薪の消費量が少なくて済みます。
・大きな吹き抜けや開放的な間取りと組み合わせることで、薪ストーブ一台で家全体を暖める「全館暖房」も可能です。

2.温度が均一になりやすい

・気密性が高いため、室内の空気の対流が安定し、1階と2階の温度差や、部屋ごとの温度ムラが少なくなり、快適性が向上します。

3.炎をゆっくり楽しめる

・暖房効率が良すぎるため、薪をガンガン焚き続ける必要がなくなり、炎を眺める時間をより長く楽しめます。

1.暑くなりすぎる可能性がある

・住宅性能が高いため、薪ストーブの暖房能力が過剰になり、室内が暑くなりすぎることがあります。建物の性能に合った適切なサイズのストーブ選びが必須です。

・薪をくべる楽しみが減ってしまうと感じる方もいます。

煙の逆流（負圧）リスク

・高気密住宅では、レンジフードや換気システムが稼働すると、室内の気圧が外気より低くなる「負圧」状態になりやすいです。

・この負圧が原因で、薪ストーブの煙が煙突から排出されず、室内に逆流するドラフト（上昇気流）不良のリスクがあります。

一酸化炭素中毒の危険性

・上記負圧による逆流は、煙やにおいだけでなく、一酸化炭素中毒の危険性を高めます。

「外気導入型」ストーブの採用

薪ストーブの中には、燃焼用の空気を室内からではなく、専用のダクトを通じて屋外から直接取り込む「外気導入型」があります。これを採用することで、室内の負圧の影響を受けにくくなります。

適切な暖房能力の機種選び

高気密・高断熱住宅には、一般的な住宅で使われるものよりも小型で高効率な薪ストーブを選ぶか、燃焼のパワー調節がしやすい機種を選ぶことが重要です。必ず専門家（薪ストーブ販売店・工務店）に相談し、住宅のUA値（断熱性能）などを考慮して選定してもらいましょう。

間取りの工夫

薪ストーブの熱を効率よく循環させるため、吹き抜けやシーリングファンの設置が推奨されます。また、設置場所の床や壁の耐火・遮熱工事、煙突の適切な設置（まっすぐで高い位置）も不可欠です。

近隣への配慮

煙やにおいは、高性能な薪ストーブを選んでも完全には避けられません。特に住宅密集地では、近隣の方への事前の説明や、使用時間帯への配慮が最も重要です。

薪ストーブは、暖房器具としての性能だけでなく、「炎の癒し」や「薪割りなどの手間」も含めたライフスタイルとして楽しむ側面が大きいです。
最近の住宅で導入する場合は、これらの注意点を踏まえた上で、専門家と密に連携して計画を進めることが必要です。